Shopify、スマレジ、ネクストエンジンなどを連携させ、システム連携による業務効率化を実現。

ECと店舗をひとつにつなぎ、スムーズな購入体験を
―貴社の事業内容およびIT推進グループ様の主要な業務内容を教えてください。
浜津様
私たちは、ランドセルを製造・販売するメーカーです。
その中でIT推進グループは、セイバンにおけるITシステム全般を統括しています。
― 現在のEC運営体制や主要なシステム構成、ご担当者さまの対応業務について教えてください。
浜津様
現在のEC運営体制は、ランドセル事業部の配下にある「Eコマースグループ」が主幹となって運営しており、コミュニケーション戦略部と連携してECの運用を担当しています。
IT推進グループは、システム面の運用支援、技術サポート、そしてトラブル発生時の対応を行っています。
当社のECを取り巻く環境としては、自社サイトのECプラットフォームShopifyを中心に、在庫管理はネクストエンジン、直営店のPOSレジはスマレジ、倉庫在庫管理システム、外部ECサイトなどがあります。その他、顧客管理システムも活用しています。
―今回、ECカート/POSレジのシステムリプレイスに至った経緯を教えてください。
浜津様
ECを新しいソリューションへ切り替えていくことが決まったタイミングでは、社内の各システムとの連携手段が明確に定まっていませんでした。
旧ECサイトでは他ソリューションとの連携がなく、直営店との在庫共有もできていなかったため、人手に頼った運用になっていました。
今回、在庫管理システムを導入し、共通在庫として一元管理するためには、直営店側のシステム入れ替えも必要となり、スマレジを導入することになりました。
重要課題は「ECチャネルと実店舗の在庫を連携すること」でした。
―課題解決に向けて動き出すにあたり、どのような点を重視されましたか。
浜津様
このプロジェクトが発足したきっかけは、「お客様の購買体験の質の向上」でした。
その実現に向け、最適な環境を整備することを重要視していました。
以前は、直営店・ECのどちらで購入される場合でも、ECで購入していたような感じでした。
しかし、現在はPOSレジが導入されて、直営店でもその場で購入いただけるようになりました。
リプレイス前と最も大きな違いは「在庫と会員情報を統合・共有できていること」です。
さらに、データが常に連携されることで、納品タイミングの把握も可能になりました。
― 「ECコネクター®」の導入を検討されたきっかけを教えてください。
浜津様
社内のソリューション全体をつなぐには、どのような仕組みが最適かを検討する中で、当時は別のソリューションも考えていました。
機能面でできること、できないことだけではなく、拡張性、対応スピード、信頼性などを総合的に評価し、最終的には費用対効果を軸に判断しました。 その結果、 ECコネクター®が当社ソリューションに最も適合していると認識しました。
それと ECコネクター®導入確定後の話になりますが、データ連携以外の領域までのフォロー、サポート力が本当にすごくて助かりました。
久さんでよかったと思っています。
―ツール選定の時系列についてお伺いします。Shopifyとスマレジ、倉庫在庫管理システムの採用を先に決め、その連携ツールとして後から「ECコネクター®」や類似サービスをご検討されたのでしょうか。
浜津様
当初はShopify、倉庫在庫管理システム、顧客管理システムを中心に、ソリューション全体をどのようにつなぐかを検討している中で、最終段階でスマレジが加わった形です。
特にスマレジの導入で要件が複雑になった時に、久さんから「この方法なら実現できるのでは」といったサポートをいただきました。
― 導入後に見られた変化や、課題の改善について教えてください。
片岡様
ひとつの例としては、展示会販売を行っているのですが、以前はお客様にECサイトをご案内し、そちらからご購入いただいていました。
今年からは、スマレジ経由でECコネクター®を通して注文を確認できるようになりました。
お客様に操作いただくのではなく、当社側が手動で操作してお客様にどうですかと提案し、レシートをお渡しする、「その場でランドセルを選んで購入できる体験」を提供できたことが、大きな変化です。
藤田様
新しいソリューション導入の課題感でもあった、お客様の満足度向上については、スマレジが導入され、ECサイトと直営店との在庫管理・会計管理・注文管理が統一されたことにより、
運営側の管理にとってもメリットですし、以前よりもお客様の購買体験向上にもつながっていると思います。
浜津様
購買体験の向上はShopifyで測っていますが、その裏側で ECコネクター®を通して安定したデータ連携ができている点が最も重要で、そこが今回実現できたかなと思っています。
― 導入時の社内の反応や運用面で印象に残っていることはありますか。
片岡様
導入前は、直営店での購入時にお客様に手書きで住所を記入いただいて、後から配送することもございました。
現在は、Shopify上で会員登録をしてもらうことで、配送までのオペレーションがよりスマートにご案内できるようになったと感じています。
浜津様
今回の環境が出来上がったことによって、販促・EC・直営店・ロジスティクスから会計までが全部きれいに一気通貫で繋がりました。
定性的なところで言うと、今まで手間がかかっていた作業がなくなり、 よりリアルタイムでの在庫管理がしやすくなりました。
結果として、全体的な情報の連携ができるようになった印象です。
藤田様
展示会では、従業員から『会員・注文情報が連携により、その場でお客様にスマホをご用意いただく場面や待ち時間が発生するものの、結果として会計時のスピードや接客品質の向上につながった』という声が届いています。
浜津様
スマレジに全ての情報が集約されて、Shopifyやネクストエンジン、そして顧客管理システムへ連携できている点は非常に大きいですね。
全体の情報が一貫してつながって、その連携に ECコネクター®が機能しているからこそ、安定運用が実現できています。
ECデータ活用から始まる、新しい顧客体験
― 今回のデータ連携は、セイバン様の事業にどのような影響をもたらしていますか。
浜津様
以前の運用方法に比べると、工数や発生する費用が減ったことは、もちろんありますが、現時点で大きな影響はないかなと思います。
どちらかというと、市場の変化に合わせて運用を変えていきやすい環境になったと思っています。
先ほどの顧客体験の質の向上や、システム統合によるデータ活用にもつながってきますが、ここはまだこれからの部分ですね。
データ連携によって活用の下地が整ったので、今まさに構築中という段階です。
― 市場の変化に合わせて対応していくための基盤ができたという形ですね。
最後に、「ECコネクター®」に期待する改善点や、機能に関する要望、また今後強化したい取り組みについてお聞かせください。
片岡様
繋がっていないシステムからもデータを吸い上げられると良いなと思っています。
従来は手入力で蓄積していたデータも、ECコネクター®で可視化できるようになれば、今後取り組みたいデータドリブンな施策がうまく進みそうだと感じています。
現時点ではAPIが用意されていない領域まで活用できれば、新しい価値や面白い取り組みが広がるのではないかと期待しています。
浜津様
今後は『お客様の購買行動』まで視野を広げたいと考えています。
お客様のランドセル購入にどう関わりを持てるのか、市場のランドセル購買シェアをいかに拡大できるかが大きなテーマです。
そのためにPDCAを回していくにも、元となるデータをしっかり集める必要があります。
だからこそ、データ連携の重要性を強く感じていますし、今後の施策の基盤にしていきたいと思っています。